学力向上のための3つの視点

大人はついつい勉強量ばかりに目が行きがち

みなさんのお子さんを見て、家での勉強量についてどう思われていますか?

「家ではさっぱりやらない」「宿題はやってるようだけどそれ以外は全然」「もっと頑張ったら成績も上がるのに」などなど

お子さんに対しての学習に関しては、多少なりともご不満をお持ちの方がほとんどではないでしょうか。

それはすなわち、今の成績が悪い、あるいは伸びない原因は勉強量の不足の結果だと考えているということになりますね。

しかし、勉強量を増やす前に、考えて検討してみた方が良いことがいくつもあります。

学習量と成績は必ずしも比例しない

もちろん、勉強量は要素の1つには違いないのですが、長年多くの生徒たちを見てきて感じるのは、学習量と成績は相関関係が薄いということです。

学習量を増やしたことで、それに応じた成績の向上が見られる生徒はむしろ少なく、うんと増やしてもさっぱり伸びない生徒や、むしろ勉強量を減らしたこと(例えば学校の宿題をやらない)で成績が伸びた生徒もいます。

これは、学力や成績を決める要素は別にあるということを示していることに他なりません。

検証すべきはこの3つの視点

では、どのようなことが学力や成績に影響を与えているのでしょうか。それは

  1. 学習法
  2. 自信度(自己信頼感)
  3. 分子栄養学に基づく栄養状態

これらの要素は、側から見ても分かりにくい、あるいは分からないものです。そのために、大抵の場合見過ごすどころか考えもつかないというのが普通だと思います。ですから、最も分かりやすい勉強量に目を向くのも理解できますし、私自身も初めの数年間は勉強量をとにかくやらせる方向で指導していました。

学習法一つで取り組み方も覚えられる量も変化する

よくありがちなのが、ワークばかりで勉強して、テスト対策もワークの丸暗記に走ることです。

すでに出来上がったものを使うので取り組みやすく、学校側としてもチェックがしやすいために提出を義務づけていることが多いでしょう。でも、はっきり申し上げると、それが学力が伸びない大きな原因に一つになっています。

学習法そのものは、本来十人十色で自分に合う学習法を試行錯誤しながら見つけていくものです。ですから、学校の先生の指示通りに宿題をこなし、提出物を真面目に出し続けても学力が上がらないのであれば、それらをやらずに別の勉強法を模索したほうがはるかに意味があります。

とはいうものの、何もないところから自分の勉強法を築いていくことはとても難しいことには違いありません。幸いなことに、現代はさまざまな学習法が紹介されていて、その気であればいくらでも試すことができます。ここでは具体例は省略しますが、ネットで検索されるといいでしょう。

自己信頼感の根源は努力によるものではない

学習でもスポーツでも芸術でも、好成績をあげる子どもや急激に成長する子どもたちは、100人中100人が自分に対する自己信頼感を持っています。

もちろん、トップレベルになるためには相応のトレーニングが必要ですが、その努力を継続するためにこそ「自分はできるようになる」という自己信頼感が必須であり、これは意識して得られるものではなく心の底(潜在意識)から自然と湧いてくるものなのです。

遊ぶときと同じくらいリラックスした状態での成功体験(学習やスポーツなどと関係しないことで良い)が多ければ多いほど良いわけです。そして、強要された努力からは自己信頼感が得られるどころか、やってもやっても自分にはできないという自己否定感が大きくなってしまう恐れさえあります。

「分子栄養学」に基づく栄養管理が最大限の能力を引き出す鍵になる

発達障害や学習障害の有無にかかわらず、例えば、「漢字を覚えるのが大の苦手」「簡単な足し算や引き算などもすぐに答えが出せない」「読んでる途中でどこを読んでるか分からなくなる」「集中力がすぐに途切れてボーっとする」「すぐに疲れる」「かみ砕いた説明でもなかなか理解できない」などの様子が見られる子どもは、みなさんが考えている以上に多いのが事実です。

また、そこまでではないにせよ、

勉強すれどもすれどもできるようになりにくいと感じている子どもは相当の数にのぼる

と感じます。

そのような状態になっているということは、おそらく体の中に重しがあるような感があったり、頭の中がスッキリしないあるいはモヤがかかっているようになっていると考えてみてください。それではいくら頑張ろうとしても、本人はつらいばかりでしょうし、下手をすれば、自分はダメな人間と思い込む、精神的な大きな傷を負うことになりかねません。

実際にADHD、強度のLDを抱える中学生を担当することになり、なんとかしてあげたくて悩んでいたときに出会ったのが「分子栄養学に基づく栄養管理」です。自分自身でも実践し、その効果を自分自身で確かめて、その上で確信を持ってオススメします。とは言っても、難しいことではありません。

市販のプロテインを活用しながら低糖質高タンパクの食事を摂ることと、鉄分を積極的に補給する

というものです。

脳神経を含む神経細胞もタンパク質でできています。信号伝達には電子が欠かせません(鉄の補給は電子の補給の意味もある)。タンパク質が十分に体内にあれば、細胞を活性化するビタミン・ミネラルもしっかり働くようになります(ビタミンB群の中には、頭を良くする働きがあるとされるものもある)。

そうなれば、体も頭も軽やかになるのですから、それまで出来なかったことも楽にできるようになり、それによって自分にもできるという自信になり、心もさらに軽やかになってチャレンジ精神も湧いてくるようになります。全ての子どもたちがそんなふうになって、生き生きと楽しそうに生活してほしいと願っています。

ぜひとも、藤川徳美先生のご著書を読まれて実践してください。

薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法 藤川徳美